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So Long Mr.W

友人のW君が急逝したのは2月の下旬。
それから自分の中で言葉がうまく組み立てられなくなってしまっていた。
どこか脳の機能の一部がぽっかり欠落したような感覚だった。

W君はA新聞社の記者だった。
時折紙面に署名記事を見つけ、活躍をうれしく思っていた。
もう彼の名前が載ることはない。

数日前、夕食の準備をしていたら、やたらとサイモン&ガーファンクルの曲が頭に浮かんできた。
それも、「ニューヨークの少年」や「さよならフランク・ロイド・ライト」といったちょっとマイナーな方。

「ああ、今日はW君の月命日だ...」
もう肉体から離れてしまった彼の存在を強く感じた。
そして、何となく彼について文章が書けそうな気がしてきた。

W君は小学校2年のときに転校してきた。関西の訛りが強く、それがとても新鮮だった。
彼の「あかん、あかん」をみんな「開かん、開かん」と聞きちがえた。
軽いカルチャーショックを運んできた、気の強い男子だった。
3年からはクラスが一緒になることはなかったが、6年生の後期には児童会で一緒に活動をした。

中学生になって、私はサイモン&ガーファンクル(以下S&G)にどっぷりはまった。
アート・ガーファンクルに夢中になった。
ほぼ同じ頃(だと思うが)W君もS&Gにはまり、彼はポール・サイモンに傾倒した。

1982年の大阪球場のコンサートのチケットはW君がとってくれた。
関西の大学に進学した彼に、「S&Gが日本に来るという噂があるから、
もしコンサートがそちらでありそうならチケットとっておいて」と、
冗談混じりに話しておいたら、ちゃんと京都で販売していた最後の2枚を手に入れてくれた。

考えてみると、学生時代、彼とS&Gについて多く語りあうことはないままだった。
二人とも彼らの音楽が素晴らしいのは当たり前と思っていたからかもしれない。
昨年、S&Gの東京ドームコンサートで上京した折に、同級生で会食し、S&G談義で盛り上がった。
彼のポールとアートの性格についての考察は鋭く、面白かった。
またいつかゆっくり語りあいたいと思ったが、「いつか」という日は来なかった。

W君の存在は確実に私にとって恩恵といえるものだった。
彼のおかげでS&Gの存在は私の中で深みを増したし、
彼の言動からいつも何かしら気づきをもらった。
新しい扉を開いてくれた。

最後に会った昨年9月。
同級生数人と新宿で落ち合い、新大久保を案内してくれた。
アジア各国に行く機会が多かったW君、面白い話がたくさんだった。
一方、欧米には縁がなかったようだ。
S&Gゆかりのニューヨークにも行ってないままのはず。

次元の扉を一足先に抜けて、
あちら側から何かしら情報を発信しているのだろう。
そんな風に感じている。
いつも一歩先を行く人だったから。

So long, Mr. W
I can't believe your song is gone so soon.

W君、私もいつまでこちらにいるのかわからないけど、
ずっとポールとアートのことは見守っていくよ。
またあちらで会ったときに報告するからね。

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コメント

S&Gの音楽を通じてのWくんとの心の交流は永遠ですね…

投稿: クープ | 2010年5月24日 (月) 22時52分

コメントありがとう
お元気ですか?
S&G、今年の7月はカナダでコンサートするようですよ
http://www.paulsimon.com/news
機会があればぜひ...

投稿: Junko | 2010年5月24日 (月) 23時11分

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