祝福のための映画  「よみがえりのレシピ」2013.3.30

 ずしりと重いものが心に残っているのに気づいた。

 おいしい料理、生き生きとした野菜、前向きな誠実な人たち、美しい自然、そんなものがたくさん詰まった映画なのに、なぜこんなに重いものが自分の中に残っているだろう。

 この重さは何かに似ている。2011年3月11日、NHKのヘリコプターからの中継画像を見たときに感じた、あの嫌な予感だ。大きな喪失を目の前にして、なす術もなく傍観者でしかいられない、そんな予感だ。あのとき感じた重さによく似ている。

 そう、この映画に取り上げられているのは経済優先主義という津波から奇跡的に助かった在来作物なのだ。それ以外にどれだけ多くの作物が絶滅していったのだろう。その現実についてはさほど詳しくこの映画では触れない。ただただ生き残った野菜たちを写す。その野菜を愛する人たちを写す。それは本当に奇跡だったのだ。

  種を守った人たちは大地の声を聞いたのだろう。日々自然と真摯に向き合う人だけが感じ取ることのできるメッセージだ。

 では、私たちに何ができるだろう。生き残った野菜たちを、それを助けた人たちをまず祝福しよう。そしてこの現実を知ることができた私たちの幸運を祝福しよう。きっと私たちはこの混迷の時代を生きるための大事な智恵を獲得したのだ。まだ希望はある、そう信じたい。

「よみがえりのレシピ」公式ホームページ http://y-recipe.net/

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